放課後の残響
逢坂みなも 著
犯人はいない。だが全員が、少しずつ加害者だった。
閉校が迫る県立星原高校。一年前、旧特別棟から転落した放送部員は、救助があと十分早ければ助かった。その十分は、誰か一人の悪意ではなく、複数の迷い、保身、沈黙が重なって生まれた空白だった。
新聞部の柊湊は、壊れかけた「能力」を持つ生徒たちの証言をつなぎ合わせていく。他人の夢を口にしてしまう少女。選ばれなかった行動の残像が見える少年。超能力は真実を暴く便利な道具ではない。人間関係を壊す不具合にすぎない。これは犯人探しではなく、なぜ全員が黙ったのかを問う物語。