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異能サブスクリプション
黒金ハル 著
課金額がそのまま強さになる世界で、少年の残高はゼロ。 脳内チップ一つで異能が手に入る闇のサブスクリプション。数万人がひしめく裏東京で、廃ビルの底辺エリアに暮らすクロヤの武器は、詐欺UIの解析、ソーシャルエンジニアリング、そしてゼロ距離の物理ハック——札束で殴り合う戦場を、頭脳一つで生き延びてきた。 ある日、最上位課金層から叩き落とされた令嬢が転がり込む。すべてを失った者同士、利用規約の矛盾を武器に、階層を永久に固定しようとする管理者「Root」に挑む。証明すべきは、たった一つ。無課金でも生きていける世界は、ありえるのか。
再建屋
梶 誠一 著
暴力は使わない。帳簿一冊で、人を社会から消す。 元国税局調査官の黛奏は、上司の横領を告発しようとして逆に証拠を捏造され、社会的に抹殺された。二年後、届いた匿名の封筒が暴く存在——信用破壊だけで人を消し、戦後七十年この国の裏を操ってきた秘匿組織「調停機構」。 同じ手口で壊された五人が集まり、「再建屋」を名乗る。潰された人生を情報と論理で再建しながら、組織の全貌を暴く。だが掘り進めた先に待つのは不都合な真実だった。機構がなければ、今の日本社会は成り立たなかったかもしれない。壊すべきは敵か、それとも自分たちが信じてきた正しさか。
放課後の残響
逢坂みなも 著
犯人はいない。だが全員が、少しずつ加害者だった。 閉校が迫る県立星原高校。一年前、旧特別棟から転落した放送部員は、救助があと十分早ければ助かった。その十分は、誰か一人の悪意ではなく、複数の迷い、保身、沈黙が重なって生まれた空白だった。 新聞部の柊湊は、壊れかけた「能力」を持つ生徒たちの証言をつなぎ合わせていく。他人の夢を口にしてしまう少女。選ばれなかった行動の残像が見える少年。超能力は真実を暴く便利な道具ではない。人間関係を壊す不具合にすぎない。これは犯人探しではなく、なぜ全員が黙ったのかを問う物語。
新着小説
槻ノ森、犬も吠えず
戸守 礼司 著
犬すら吠えない街には、理由がある。誰もそれを口にしないだけだ。 東京多摩の槻ノ森市。犯罪率は低く、住民は穏やか。だがそれは平和ではなく、沈黙だった。元捜査一課刑事の神崎鶫は、この街で私立探偵を始めて奇妙なパターンに気づく。解決した事件の関係者が、後日静かに消えている。失踪ではなく引っ越し。だが行き先は実在しない。 論理と物証だけを信じる鶫の前に、地元ライターの綿貫律が立ちはだかる。「そういう話じゃないと思う」。人間の黒幕は暴かれる。だが根本の謎——この街がなぜ静かなのか——は、最後まで残る。犬が吠えない理由を、鶫はまだ知らない。
夜行性のノイズキャンセル
夜凪 透子 著
正しい情報だけが流れる街で、間違える自由が消えていく。 高校二年の槙透は、ある夜、通行人たちが一斉にスマホを取り出し同じ方向を向く光景を目撃する。SNSとAIが引き起こす認知汚染——「情報災害」。透はそれを感知する稀有な体質を持っていた。 トラブルシューター・飛羽に拾われ、夜の街を守り始めた透。だが市長の「美しく安全な街づくり」でAIが本格稼働し、市民は自ら監視し合い始める。飛羽が罠にかかり退場。テロリストの烙印を押された透の前に、衝撃の事実が突きつけられる——情報災害の基礎理論を生んだのは、飛羽自身だった。最後の切り札は「人間の不合理さ」。間違える自由を取り戻す百日間の戦い。
身バレしたので、DAOを焼きます。
片桐遊馬 著
七万人の匿名ネットワークを動かしているのは、十七歳の高校生だった。 奥谷直人が中学時代から育てた相互扶助プラットフォーム「Relay」。困っている人が名前を出さずに助けを求め、匿名の誰かが応える。運営者の正体を、誰も知らなかった——身バレするまでは。 人と金と信用が集まる場所に、大人たちが群がり始める。チンピラ、上品な脅迫者、反社、新興宗教、巨大企業、政府。直人は常に最善手を打つ。だが善意と情報不足が裏目に出て、状況は悪化の一途をたどる。裏社会の危機管理コンサルに叩き込まれるのは戦い方ではなく「死なない順番」。仕組みを終わらせることでしか、守れないものがある。
神様案件につき、就職は見送りました
社宮祈 著
異世界で三十年戦い抜いた。帰ってきたら、就活で全滅した。 久瀬恒一、外見二十二歳、中身五十二歳。面接で語れる「学生時代の経験」は異世界サバイバルだけ。内定ゼロの元勇者が流れ着いたのは、「帰る」「やりなおす」に関する願いが集まりやすい不思議な街・御影坂市。 巫女バイトの史乃、理論派の理澄、謎めいた古書店の少女・玻璃に巻き込まれ、願いと現実の継ぎ目がほころぶ「神様案件」を解決する便利屋に。だが帰還は終わりではなかった。自分が単なる帰還者ではなく、神様候補として送り返された存在だと知ったとき——願いを叶える場所ではなく、願いとの折り合いをつける場所が必要になる。
殉職報告書は届かない
灰原 零 著
全員が、その話の終わりに死ぬ。 配送員、陰陽師、看護師、事務員——派手なヒーローではない五十人の裏方たち。世界の均衡を守る仕事の果てに、一人ずつ命を落とす。描かれるのは、それぞれの最後の一日。殉職報告書は提出される。だが表の世界には、決して届かない。全五十話の連作短編。
封の座を継ぐ者
神楽坂連 著
千年ひとりで守り続けた男と、継ぎたくない神社の娘が出会う。 深山渡、外見三十前後。飛鳥時代に人の時間から外れた行者見習いが、東北の神凪町で封印と結界を守り続けて千年。そこに神社の娘・宮守千早が、役小角由来の「視る力」と「封印の鍵」を宿してしまう。 千早の力を狙う組織が接近し、町の封印が軋み始める。渡は千早を守ろうとする。だがその守り方は、真実を隠し一人で背負う千年来の癖に染まっている。過去に守れなかった者たちの記憶が判断を歪める渡。守られるだけでは終わらない千早。継承とは家のしがらみではなく、未完の願いを自分の意志で引き受けること。千年の管理人が、ひとりで守ることをやめるまでの物語。
ひび割れの福音
著
壊れたスマホが映す画面には、いつも「最も都合のいい現実」が写っている。 トクリュウに使い捨てにされた18歳の少年・瀬戸蓮は、ポケットの壊れたスマホに宿る神器「八咫鏡」の力で死地を脱する。追手がなぜか違う角を曲がる。監視カメラの死角が偶然重なる。あり得なくはないが、都合が良すぎる——そんな不気味な「偏り」が、蓮の周りでだけ起きる。 だが奇跡には代償がある。使うたびに記憶がズレ、現実の手触りが薄れ、自分が「同じ自分」なのか分からなくなっていく。 神器を回収する秘密組織。デジタル裏社会を支配するかつての親友。逃げて、隠れて、時に小さく反撃しながら、蓮は問われ続ける。 ——都合のいい結末を選べるなら、人はそれを使うべきか?